製薬会社今昔

記事を書くのもひさしぶりです。新型インフルやらなにやら、いろいろ騒がしかったですねぇ。まあ、それはともかく。

これまでの記事、どうも製薬企業寄りのように見えると思います。まあ、マスゴミは企業を悪役にしがちですので、どうしてもそうなってしまうんですけどね。ミスリード、というよりは、世論操作が激しすぎますから。ま、そういうことで、今日は製薬企業の問題でも語ってみましょうかね。

皆さん、製薬企業、特に研究開発とか言うと、化学者、専門家の集まりのようなイメージを持たれる方が多いと思います。確かに、以前はそうだったのですが、現在ではかなり様変わりしています。

開発というのは、臨床試験を含む各種試験により、薬効評価を行って薬の有効性を示し、製造販売の承認を取得する、という仕事を担当しているところです。もちろん、製薬会社にとっては中枢とも言うべきところではあるのですが、激しい競争により、様変わりしてしまっています。

医薬品というと、不景気でも売れ行きに影響無いじゃないかと思われるかもしれません。たしかにその通りではあるのですが、競争が激しくないわけではなく、おそらくあらゆる業界でトップクラスの生存競争が繰り広げられていると言っても良いと思います。それは、20年前の世界のトップ企業と、現在のトップ企業を比較すればわかると思います。名前も変わらず生き残っている会社はごくわずかでしょう。

現時点で世界No1と言われているファイザーは、名前こそ変わってはいませんが、ここ10年でワーナーランバート、ファルマシア、ワイス等、上位製薬企業を買収しています。もちろん、それに伴って大きなリストラが発生しています。日本でも犠牲者は少なくないでしょう。

買収の目的は相手の持っている薬です。そう、自社で開発しなくても、売れてる薬を会社ごと買えばよいのですよ。自分で開発する必要ないのです。もちろん、開発するつもりが無い、というわけではなく、精力的に続けているのでしょうが、どんなに努力しても売れる薬が確実に作れるわけではありません。開発に力をいれても運が悪ければジリ貧なのです。

会社がそんな状況なので、開発もその影響をうけてしまったのかもしれません。今の開発部の幹部というのは、学者的な人は少なく、完全に商売人と化してます。要するに、データの質よりもコストダウンを優先する傾向にあります。

会社としてそういう人間を優遇するというのはしょうがないのかもしれませんが、開発部の幹部クラスがまったく専門知識が無く、単なるビジネスマンだったりすると、なんだかなぁなんて思いますが、現実にそういうケースはあります。

問題なのは、コストダウンというのは目に見える効果があるのに対し、それに伴って発生する質の低下というのは、コストダウンとの因果関係を証明するのは難しく、往々にして他に原因を転嫁されます。まあ、簡単に言うと、「成功はリーダーの成果、ミスは末端の責任」というところです。コストダウンはリーダーの成果として評価されるが、質の低下はすべて末端の責任になるので、商売人リーダーのみ出世し、ミスを処理する現場の人、つまりは本当に開発の業務をしている人、というのはうだつが上がらないということになります。

例えば、コストダウンの手法として外部委託というものがあります。安い業者に業務を委託するわけですが、まあ当然ながら安ければ良いってもんじゃありません。ちゃんと業務ができるかどうかってのが重要です。

ところが、商売人にはちゃんと業務ができるかどうかなんてのはわかりません。コストしか見えないので、一番安いヤツに決めてしまったりします。

実際にあった話ですが、ある企業ではコストの安い中国にデータ処理を委託したのですが、業務がちゃんとできるどころか、日本語も英語もろくに通じず、大変な苦労をすることになったそうです。普通こんな状況ではそんなところに決めたヤツが悪い、って話になりそうですが、実際は違いました。中国との窓口になっている担当者がさんざん責められたそうです。せっかく安いところを見つけてきたのに、ちゃんと使わなきゃダメじゃないか!!みたいに怒られているそうです。

ちなみにこの人は委託先の営業トークが嘘っぱちであることは見抜いていたそうなんですが、商売人の上司にはその理由が理解できなかったそうです。単純に、その人員、その経験でその仕事はできないはず、という極々理論的な話なんですけどね。商売人に言わせれば、「リスクを乗り越えてこそ成功がある」とのこと・・・・・ははは・・・・

そんでもって外部には、「中国にアウトソースして大幅なコスト削減に成功」なんて宣伝しているわけです。とんでもない表裏ですね。もちろん、商売人にとってはこういう発表が出世につながるポイントなのですが。

かつて開発の表舞台に立っていた本来の専門家などは現在ポストすらありません。現在は前述のような商売人の尻拭いが主な仕事です。管理職=商売人なので、出世などありえないのです。

こういう会社の見分け方は簡単。管理職比率を見れば一目瞭然です。極端なところでは50%を超えてるところすらあります。外部委託主体だとどうしてもそうなってしまうんですけどね。もちろん、それがすべてダメってわけじゃないでしょうけど。

発表と実態がかけ離れているなんてのはどんな業界でも同じだと思うのですが、薬を扱う会社がこのザマでは不安になります。

コストは重要ですが、それしか見えなくなったらおしまいです。破綻したアメリカのGMは、そもそもコスト重視でエンジン開発等の手を抜き、古いV8エンジンに見た目だけ新しいボディを乗っけていました。そこから凋落は始まっていたと言われています。

薬はよその会社から(あるいは会社ごと?)買い、開発は中国に委託なんて方式なら、そもそも開発部なんていらないんじゃね?なんてことになるでしょうね。実際、部門ごと外注にしてしまうケースは多いようです。

以前記事にしたジェネリックなんかは、まさしく薬は他社のコピーで、製造はアジアのどこか、ってパターンが多いわけですから、まさに低コストの鏡と言えるでしょう。

しかし、それによって失われるものは実は多いのです。が、コストしか見ない人にはそれが分かりません。もちろん、問題が起きなければ良いでしょう。ずさんな仕事でもバレないってことは多いです。だからこそ商売人が幅を利かすのでしょうが・・・・

大手製薬会社の方で、開発の某専門部署の課長さんにご挨拶したことがあるのですが、その方は課長にもかかわらず、その部署の仕事をまるでしたことが無いようすでした。話すことはバリバリのビジネスマンって感じで、開発部の人であることを忘れそうな感じでした。
部長ならともかく、中間管理職ともなれば、部下の指導にあたるはずでは??なんて思うのですが、こんなんでうまくいくんでしょうかねぇ・・・・

私の見てるものが「ごく極端な1例」であることを願うばかりです。

ジェネリック医薬品の問題点

最近になってよく耳にするジェネリック医薬品というもの。今日はこれについて私見を述べます。

ジェネリック医薬品とは、、特許が切れた薬を、開発元以外の会社が製造して販売するものなのですが、もちろん新薬に比べて開発費用がかからないので薬自体が安くなる、というものです。昔はゾロ品と呼ばれ(特許が切れたらゾロゾロ出てくるため)どちらかというと日陰のイメージがあったのですが、昨今の医療費増大に耐えかねた政府がついに後押しするようになりました。今ではジェネリックメーカーが堂々とTVCMを流す次代になってます。しかも有名タレントを使ったものです(痛い目にあわなければ良いのですが)。世の中変わったものです。どのCMも口をそろえて薬代が安く済む、と言っています。しかし、問題は多いのですよ。医療関係者はおそらく初めてジェネリックのTVCMを見た時はぶったまげて椅子から転げ落ちてると思います。で、今日はあえてジェネリック医薬品の問題点に突っ込んで見ることにします。

1.先発品と同じものではない
これに関してはTVCMでも誤魔化しているとしか思えないのですが、あれを見た人はおなじ薬なんだな、と思ってしまうと思います。実は違うんです。実際、ジェネリックとオリジナルを比べると、パッケージが違うのはまだ良いとして、錠剤なら形も違えば大きさも色も違ったりします。これ、同じじゃないですよね。つまり、有効成分は同じなんですが、製剤が異なるのです。たとえば、そもそも錠剤というものは薬を固めて作るものじゃありません。錠剤の中の薬効成分というのは微々たるもので、それだけを固めてしまうと直径1ミリにも満たない錠剤になってしまいます。それじゃ扱いにくいので賦形剤を使ってある程度の大きさにしたり、表面をコートしたりするわけです。もちろん、胃で溶けるようにしたり、腸で溶けるようにしたり、薬剤がいきなり解けずにゆっくりと薬を放出するようにしたり、というのは薬の成分ではなく、こういった製剤技術で実現されているものであるため、これが異なるということは、薬の効果自体が変わってしまう可能性があるわけです。
ジェネリックを申請するためには、実際に人に投与した際に、薬物動態的に先発品と同じであるということを検証した試験(生物学的同等性試験)が義務付けられているわけですが、これは主成分のみを見るものであり、不純物が混ざってないとか、添加物由来の副作用が無いかなどは一切調べません。薬効成分以外のものに問題があってもわからないのです。添加剤で副作用が発生したり不純物で薬物アレルギーが起こる場合もあるのですがねぇ。

また、主成分にしても同等性が確保されているはずなのに、実際に血中濃度に差があるという話が後を絶ちません。現に何度か学会に報告されていますが、先発品の13%しか体内で吸収されないものや、逆に140%も血中濃度が上がってしまうものもあります。これでは効果に差が無いわけはありません。生物学的同等性試験の申請データが捏造でなければ、試験に使われた製剤と売っている製剤が違うことになります。これは製剤の品質管理がずさんであるとしか考えられません。悪質なケースでは販売された製剤の方が成分を変更(コストカットか?)されている可能性もあります。
さらに問題なのは、基本的に臨床試験なしで発売されるので、副作用情報が一切無いということです。成分が同じだとはいえ、前述のような理由で別モノと思わざるを得ないものなのに、情報が無いんじゃこまります。これが、医師が処方に二の足を踏む理由です。現に、医療現場レベルでも、ジェネリックに変えたら効かなくなったとか、調子が悪くなったなんて訴えがあって止めた例も多いのです。

2.名前が・・・・・
医療機関にとって一番困るのがコレです。ジェネリックって数が多すぎるんですよ。医師だって薬剤師だってそんなもの覚えられませんって。なんせ、一つの医薬品で10個とか20個とかあるんですよ。しかも、全部会社が別だし名前もぜんぶばらばらです。いったいどうしろというのか・・・・去年から処方箋には後発品に変更可なんてチェックがつけられるようになっているのですが、医師によっては先発品が出ているいないに関わらず、これにチェックをつけている人もいます。こうなると薬剤師が後発品を探すことになります。これは大変です。最大の問題は「違いが分からない」ことにつきます。1.でも述べましたが、ジェネリックは製剤が明らかに異なりますし、それはメーカー毎に違います。また、薬剤師が選択したジェネリックで問題が発生すれば薬剤師の責任になります。これはいくらなんでも酷です。そもそもジェネリックは情報自体入手困難なんです(後述)。選べといわれても困る場合の方が多いのですよ。

3.会社大丈夫?
ジェネリックのメーカーは新薬メーカーと比べて小さな会社が多いです。大手先発メーカーであれば資料や情報提供が充実していますが、ジェネリックの場合、担当者の姿さえ見えなかったりします。日本の最大手のジェネリック医薬品会社でも、大手新薬メーカーの十分の一以下の規模です。到底同じレベルでは情報提供等のサポートは望めません。中には、薬の情報については先発品メーカーに聞いてくれなんてところもあります。無責任にもほどがあります。ホンダ車の偽物を作ってメンテはホンダ社でやってもらえって言ってるようなものです。
欧米ではジェネリックが普及していますが、それはそれなりに大きな会社が存在するためであり、なにより大手製薬会社はジェネリック専門の子会社を持っており、特許切れと同時に子会社が先発品の生産ラインを使ってジェネリックを作る(=まるっきり同じものが出来る)場合もあります。しかしながら、今の日本はまだまだ得体の知れない会社が存在するのですよ。
そもそも最近まで、発売してから2年ぐらいで生産を打ち切ってしまう売り逃げのようなジェネリックメーカーもあったようです。つまり、そのとき一番売れそうな薬の原末を一気に仕入れて薬を作り、全部売り切ったらまたそのとき売れてる薬の・・・みたいなことをしているわけです。これは去年やっと厚生労働省から通達があって、少なくとも5年は生産を継続し、供給を続けることなんて決まりが出来ましたが、去年じゃ遅すぎますよね。コマーシャルなんか去年の初めからガンガンやってるのに。また、自前の製剤工場を持たないケースも多く、発展途上国で生産されているものも多いはずです。今問題になっている個人輸入に引っかかってくるバイアグラのインチキ製剤などと出所は同じ可能性すらあるでしょう。そもそも副作用訴訟があったら耐えられる会社がどのくらいあるのでしょうね?

4.ちゃんと報道せんかい!
なぜか最近のマスコミはジェネリック礼賛です。TVCMもそうなんですが、問題点があることを指摘するような報道はきわめて少ないのです。おそらく現在、ジェネリックメーカーが大々的な広告を出してきているので、良いスポンサーなのでしょう。困ったものです。そもそも、今までろくに広告費なんてつかってなかったメーカーが、あれだけ広告を打って平気なんだろか?と心配になるぐらいです。
TVCMなんかでは患者が医師に「ジェネリックに出来ませんか?」なんて質問するシーンがあります。医師としては困ると思います。断ったら高価な新薬で儲けようとしていると見られかねません。実際、そのように報道しているマスコミもいます。
そもそもタミフルで数十万分の一レベルの副作用で大騒ぎしているマスコミが、なぜジェネリック礼賛なのか?また、タミフルの副作用の噂が怖くて服用を迷う一般人が、「ジェネリックにできませんか?」なんて質問するってのが恐ろしく矛盾しています。

5.私的結論
ジェネリックは将来的には普及していくと思いますし、医療費のことを考えるとその方が望ましいのですが、現状でははっきりいって普及されたら困ります。元々問題が多くて導入に二の足を踏んでいた医療機関が多かったため普及してなかったのに、急に使えって言われてもどれ使っていいかわかりません。だから、現時点での賢いジェネリックの使い方は以下の感じになると思います。

医師がジェネリックを直接指定するか、あるいは薬局でスムーズにジェネリックが出てくる場合はOKでしょう。患者の方からどうしてもジェネリックにして下さいなんて言ってはいけません。ジェネリックを使ったことの無い医療機関はどれが良いかなんてことはわかりません。無理に探せば問題のあるジェネリックに出くわしかねないのです。

世界最大のジェネリックメーカーも最近になってやっと日本市場に進出してきました。ジェネリックメーカーはおそらくこれから淘汰が始まっていくと思われます。今後は問題のあるメーカーは撤退するかつぶれていくと思います。いや、そういうメーカーこそマスコミが叩きまくってつぶして欲しいんですけどね。怪しいところが全部つぶれてくれれば安心して使えるのですが。

薬剤師会でも問題のある製品や業者の情報を収集していますし、医療機関側も、信頼のおけるジェネリックが現れてくれば徐々に使うようになると思われますが、まだ時期尚早です。くれぐれも、無理やりにジェネリックを希望することだけは止めてください。良い結果にはならないと思います。もっとも、安ければ良いというなら止めはしませんが・・・・・

最後に、日本医師会が昨年11月8日に行った定例会見において報告されたジェネリック医薬品に関する緊急調査報告の内容をご紹介しておきましょう。

ジェネリック医薬品に関し、「問題あり」であるもの:
メーカー:33社
銘柄:73銘柄
件数:89件


・品質に問題あり・・・・・54%
・効果に問題あり・・・・・69%
・副作用に問題あり・・・・45%


品質には、「製剤にゴミが混ざっている」「強度不足で錠剤が粉砕してしまう」等が含まれていた。
さらに、特定の1社に「問題あり」と指摘されたものが21件、品目で18銘柄に及ぶ例があった。

報告内容のオリジナルは以下のリンク:

http://www.med.or.jp/shirokuma/no488.html
http://www.med.or.jp/shirokuma/no531.html

タミフルとシンメトレル

最近になってシンメトレルリレンザ投与例の異常行動が報道されていますが、なぜ今頃になって報道するのかよくわかりません。リレンザは処方数が少ないのであまり出てこなかったとは思いますが、シンメトレルはもはや20年以上にわたって使われている古い薬です。もちろん精神神経症状は副作用として添付文書に記載されています。報告が上がって当然のものなのです。

シンメトレルで思い出されるのはあの「薬害タミフル脳症被害者の会」の礎となった症例です。それは、以下のような症例でした。

昨年2月、岐阜県内の男子高校生(当時17歳)がタミフル1カプセルを服用、約4時間後に、近くの道路のガードレールを乗り越え、トラックにはねられ死亡した。

報道はこんな感じだったでしょうか。その後この少年の父親が被害者の会を立ち上げることとなるわけですが、活動についてはしばしばマスコミが取り上げているにもかかわらず、実際の臨床経過が報道されることはあまり無いようです。そこで、今回はこの件に関して症例報告書を見て行こうと思います。

症例報告書は厚生労働省のHPで公開されています。特異な例だけに探しあてるのは簡単でした。以下は私のレビュー結果です。

    • レビュー開始

症例番号:B-4008399

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0404-2j_03.pdf

このPDFの17ページ以降が当該症例の報告書原本である。概要は以下の通り。

まず、平成16年2月4日、夕方に受診している。この時はインフルエンザ判別テスト陰性。が、流行期のため、シンメトレル、抗生剤等が処方されている。まだタミフルは処方されていない。
翌日2月5日午前に再来院。この時インフルエンザ判別テストでA+となる。シンメトレルは中止、昼からタミフル服用開始とのこと。服用は13:30分。14:00分に就寝。15:45頃に外に飛び出し、トラックにはねられ死亡。

報道ではあたかもタミフルだけ服用しているかのような印象をうけるが、現実にはシンメトレルを含め、タミフルの他に5種類の薬剤が同時に服用されている。さらに、報告書には、被疑薬(有害事象の原因となった可能性のある薬剤)の欄には、タミフルシンメトレル両方にSマーク(多分Suspect?)が付されているのである。つまり、担当医はタミフルだけでなく、シンメトレルにも疑いを持っていたのである。(ただし、本報告書はタミフルの有害事象報告なので、報告書中の「本剤」とはタミフルを指す)。

さて、本症例を細かく分析してみたい。まず、先入観なしに見る限り、その薬剤の性質から考えて、元々中枢作用を持つシンメトレルを疑うべきだろう。まず、2月4日の初来院は夕方とのことなので、来院時間から考えると夕食後に最初にシンメトレルを服用していると思われる。まず、その後の血中濃度推移を推定してみたい。まず、シンメトレルの薬物動態プロファイルは以下に示されている。

http://www.novartis.co.jp/product/sym/pi/pi_sym00.html

これによると、Tmax(最高血中濃度に達する時間)は50mg投与で3.3時間、半減期は12.3時間である。2回目のシンメトレルの服用は翌日2月5日の午前中であるので、おおよそ12時間程度と考えられる。当然、血中にはまだシンメトレルは残っており、2回目の服用後はさらに血中濃度の増加が見られるはずである。

シンメトレルは2回投与されたのみと考えられるが、タミフルの投与が13:30頃であるということを考えると、その日の朝食が8:00頃とするならシンメトレル服用後、わずか5.5時間後にタミフルは投与されたことになる。異常行動発現はその2時間後である。しかし、この時間帯では、シンメトレルはまだ有効血中濃度と考えられるのである。シンメトレルは1日2回投与であり。朝1回、夜1回で24時間有効血中濃度を維持できるはずだ。つまり、タミフル投与時および異常行動発生時は、血中にはその薬効を発揮するのに十分なシンメトレルが存在しているのである。直近に投与されたのがタミフルであるとはいえ、シンメトレルの影響を無視できないことは明白である。

こういう状況では、中枢作用が立証されていないタミフルよりも、すでに中枢系の副作用を有することが明らかのとなっているシンメトレルを原因として疑うのが自然だろう。

    • レビュー結果以上

さて、おそらく当局も同じ判断になったと思います。結果として、

独立行政法人医薬品医療機器総合機構」は昨年7月、副作用被害救済制度に基づき「タミフルとは別の薬の副作用による自殺企図」と判定。軒端さんは不服として、厚労省に審査を申し立てた。
 軒端さんによると、不服申し立てに対する同省の決定は昨年12月27日付で「副作用被害救済制度で既に遺族一時金などが支給されており、判定による申し立て人の利益侵害はない」とした。
 軒端さんは「長男が自殺する理由はなく、副作用の原因がタミフルではないという根拠も不明」と話している。
 タミフルには16年6月以降、添付文書に「異常行動、幻覚、妄想があらわれることがある」と記載。

などと報道される結果となったわけです。つまり、「別の薬」というのがシンメトレルだったんですね。
もちろん、タミフルだろうがシンメトレルだろうが、これは副作用認定がなされて救済制度が適用になったわけですが、遺族は不服申し立てをしています。これはちょっと理解に苦しみます。なにがなんでもタミフルが原因でないと気がすまないのでしょうか。根拠として、タミフルの添付文書記載を上げていますが、シンメトレルの添付文書にも似たようなものが書かれており、頻度的にはタミフルよりも多いのです。それを知ってなおかつ不服申し立てをしているのならますます理解できません。

副作用報道の分母無視というのは昔からですが、それよりなにより併用薬や既往を無視するのは困ります。上の症例報告原本が載っているページには、多くの症例報告原本が載っていますが、その多くが多剤併用です。明らかに中枢作用がある薬や、インフルエンザには禁忌であるはずのNSAIDの服用例もありました。これをタミフル投与例とひとくくりにするのは乱暴すぎます。

また、どの症例かは忘れましたが、タミフル投与後に2階から飛び降りて怪我をした例で、それ以前にも就寝中、無意識のうちに2階から飛び降りた既往歴がある症例もありました。これは明らかに睡眠障害であるので、タミフル投与後の現象だけをタミフルの副作用と認めるのは困難です。

時間のある方は症例検討会のメンバーになったつもりで一例一例見ていくと良いでしょう。報道では何が隠蔽されているかが良くわかります。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/s0404-2.html

このページから、報道されたほとんどの症例の報告書にアクセスできるはずです。もっとも、個人情報がマスクされているので、上記のような特異な例以外は判別が難しいかもしれませんが。

タミフル報道と不二家報道の類似点

タミフル報道を振り返ってみると、もしかしたらマスコミ各社は不二家に次ぐバッシング先として採用したのかもしれません。

不二家事件ほどマスコミ報道と実態がまるで異なる事件は無いでしょう。あれは作られた事件であり、実は不二家は「無実」だったと言えるものでした。

まず最初に報道されたのは、「消費期限切れの牛乳を使用」でしたが、これは実際は報道とかなりかけ離れたものであることがわかっています。以下は最終報告書ですが、社外メンバーがまとめたものであり、十分中立公正であると言えるでしょう。

http://www.fujiya-peko.co.jp/company/ir/pdf/20070419_01.pdf

これを見ると、消費期限切れの牛乳を使用したという証拠は無いのですが、余剰の牛乳があったという記録が残っていたために「使用されたのではないか?」という疑いをかけられた、ということであるようです。

つまり、品質管理プロセスの問題であり、こういった指摘はおそらく伝統ある古い体質の会社ならどこでもありうる問題でしょう。

しかし、これが発端となって、マスコミ各社が一斉にバッシングを開始しました。しかし、その内容は、明らかに視聴者に誤解を与えるものでした。いくつかを上げると、

・「ペコちゃんのほっぺ」食中毒
なぜか平成7年の食中毒が突然報道されました。10年以上も前です。それを隠蔽した、と報道されたわけですが、本来食中毒は保健所が発表するものです。なぜ発表されなかったかというと、当時の内規で20名以下は発表しなかった(報告は9名)であったからです。もちろんこれは不二家の落ち度ではありませんし、当時工場の立ち入り検査も行われており、営業停止や消毒など衛生面の対策も行われ、製品の回収も実施してます。なぜこの件を十数年も経ってから持ち出したんでしょうかね?

・プリンの消費期限延長
本来消費期限切れのものを延長して出荷したとの報道でしたが、実は一般水準から見て厳しすぎた規定を緩めただけのものであったそうです。

大腸菌の検出された食品を出荷
食品の大腸群検査のことを知らずに「大腸菌」として報道されたようです。


おそらく、どんな食品会社でも、同じようにマスコミから報道されたらほとんどの企業は対抗できないでしょう。不二家はブランドは残りましたが会社は消滅したようなものです。マスコミが潰したといっても良いでしょうね。

マスコミ暴走の極限の形があのTBS朝ズバの「賞味期限切れのチョコレート再利用」です。これは、完全な捏造報道であり、証言者も大半が仕込みであると思われます。そもそも不二家には純粋なチョコ製品は無く、ジャムなどが混ざったものであるため、溶かして再利用は不可能なのです。

これは調査に当たった郷原氏が自ら会見を行っています。

http://www.j-cast.com/2007/04/19007004.html

しかしながら、TBSは謝罪は行ったものの、「チョコレートを再利用していたという証言の根幹部分は現在も信用性が高いと考えている」と言っています。こんな謝罪があるのでしょうかね。

バッシングというものがどういうものか、不二家事件を見ると良くわかります。いじめ報道なんかで盛り上がっている一方でこういうことがあるわけで、マスコミが正義を掲げているのが滑稽ですね。

タミフル騒動も、発端が転落死というセンセーショナルなものだったことがマスコミがバッシング先として選択しやすかったと言えるでしょう。それは実際視聴者の気を引き、予想通りの注目が集まったと言えます。

あとはもう事実を少しづつ捻じ曲げるというまさに不二家報道方式です。「発狂したかと思った」としか言っていない話が、なぜか「裸足で外に飛び出した」と報道された例もあるそうですし、他に多くの併用薬剤が投与されているにもかかわらず、「タミフル服用後」としか報道されていない例もあります。

これでは子供のいじめもなくならないだろうなと思います。テレビの中で公にいじめが行われているのですからね。

マスコミの異常行動 −タミフル報道ー

うん、このタイトル気に入った!タミフル報道はまさに「異常行動」と言って良いのではないでしょうか。

なぜかマスコミは、「本流の意見」よりも「マイナーな独自意見」を大きく取り扱う場合があります。もちろん、これは厚生労働省とか学会とか製薬会社とかがが信用できないって前提でそうなっているのでしょうけど。しかし、「インフルエンザは寝てれば治る」とか、「がんの治療はするな」みたいな極端な情報をセンセーショナルに取り上げるといずれ死人が出ると思います。がんはすでに出ていると思いますが、インフルエンザは強毒型が流行したら今のめちゃくちゃな報道を信じて薬を飲まないか処方を拒否する人も出るでしょう。これは誰の責任になるのでしょうかね。

タミフル投与後の異常行動による死亡例はたしか7件程度で、突然死などの原因不明を含めても100例も無いと思います。しかし、これは2400万処方といわれる中のものですから24万分の一という確率になります。これが問題視されるのなら、世の中の治療に必要な薬の大半が消滅することになるでしょうね。タミフル同様、発現頻度不明の精神神経症状を持つ薬剤は多いです。医療用だけでなく、一般むけに薬店で売っている薬剤ですらそれは存在します。多分、タミフルと同じぐらい多くの人に投与されたらきっと今まで起こらなかったものも起きるでしょうね。

それにしても、タミフルとは比較にならないほど異常行動の発現例が多く、それが原因で多くの人が命を落としているものがありますよね?しかも、自殺だけでなく、他の人を殺す場合もあるし、巻添えになって死んだ人も数知れずです。おそらく、死亡者だけで年間数百にのぼり、異常行動を起こす人だけなら年間数百万人から数千万人になるのではないでしょうか。しかも、直接の毒性だけで死亡する人も少なくありません。もちろんマスコミは事件そのものは報道してます。

しかも、タミフルと異なり、異常行動とそれとの因果関係は証明されています。しかもはるか昔に。しかも医師の処方なしで購入可能です。なんでこんなものが野放しになってるんでしょうね?製造元はいままで一度も叩かれたことがありません。また、調べなくてもわかることですが、製造元からはTV、新聞、雑誌などにある名目で大量のお金が流れています。どうです?怪しくないですか?

はい、それは「酒」です。医療用医薬品は法律によって一般向けの広告は出せない(注:一般向け広告が出せるのはOTCと呼ばれる一般向け医薬品で、医師の処方が無いと出せない医療用医薬品とは別物)のですが、「酒」はそこらじゅうで広告がなされてます。もちろん、売ってる店は数知れずです。

医薬品は限りなく安全でなくてはならず、嗜好品や食品はどうでも良いってのは間違っていると思います。そもそも、見方によっては食品や嗜好品にも医薬品並みの副作用があるのですよ。

タミフルが異常行動を悪化させる可能性がある」というのと、
「アルコールが肝硬変を悪化させる可能性がある」
「コーラが糖尿病を悪化させる可能性がある」

みんな同じでは?と思うのは私だけでしょうか(もっとも、アルコールやコーラは可能性なんてもんじゃありませんが)。

タミフルの寄付金・研究費に関する報道

タミフル報道で何がびっくりしたかというとなんといっても研究費の話です。最初見たとき、何を報道しているのかよくわからなかったぐらいです。各社いろいろな形で報道してますが、おしなべてこんな感じですかね。

タミフル研究班、別の教授にも6000万円 中外製薬

http://www.asahi.com/special/070320/TKY200703300369.html

 厚生労働省は30日、インフルエンザ治療薬「タミフル」の服用と異常行動の関連を調べている同省研究班の3人が、タミフル輸入販売元の中外製薬(東京)から寄付金を受けていたとして、研究班から除外すると発表した。これまでに明らかになっている主任研究者の横田俊平・横浜市立大教授らのほかに、データを分析していた文部科学省系の統計数理研究所の藤田利治・教授側に06年度6000万円が渡っていたことが新たに判明。このうちタミフルの研究に627万円を使っていた。

どうもマスコミは、基本的に臨床試験というものは製薬会社の資金で実施するということを知らないようです。知っていてあえてこのような書き方をするとしたらかなり悪質ですが。

まず、今回の研究班の調査は、「厚生労働省補助金」なんてタイトルがついていますが、当の補助金は調査に必要な資金の10分の一程度しかなかったとのことです。つまり、50円で500円のパン買って来いってことなんですよ。そりゃ無理です。
で、通常はそういう場合、製造者の責任で費用負担を求められるのは別に特別な話ではありません。そもそも当局&学会に対する製薬会社の立場はどんなに不等号を重ねても足りないぐらい弱いものです。製薬会社側が有利になる構図なんてどんなに金を積もうが実現しないのが普通です。

中外製薬のサイトにも経緯が示されています。まあ、こんなもんかなと思います。

http://www.chugai-pharm.co.jp/html/info/070330.html

報道によってはこのお金を「裏金」だとか「献金」だとか表現している場合も多いです。意味が違いすぎますね。やれやれ。論調はほぼみんな同じで、

「製薬会社の資金で実施された試験だから手心が加えられている可能性がある。信用できない」

という感じなんですが、ここでちょっと考えて欲しいですね。まず、新薬承認申請のための臨床試験は、日本のみならず世界的に「製薬会社が資金(研究費)を出して医療機関に委託」しているものです。つまり、上の論理が成り立つなら、世界中のどんな薬も信用出来ないって話しになります。

そもそも、それが本当ならどんな薬でも有利なデータが出るので承認されまくりなはずなんですが、現実には申請された新薬が必ず承認が下りるわけもなく、それどころか比較試験で負けて開発断念なんてのもめずらしくありません。まあ、今のマスコミにここまで知っていろとは言いませんが。

また、奨学寄附金も槍玉に上がっていたかと思いますが、そもそも大学病院などで使っている薬を出している製薬メーカーは、多かれ少なかれその大学に寄付を行っているはずです。寄付を行っているというとなんか下心があってお金を渡しているように聞こえるかもしれませんが、実質上これは請求に近いもので、むしろ打ち切ろうもんなら競合他社品に変えられてしまう可能性すらあります。

そもそも奨学寄附金ってのは大学等にちゃんとした窓口があるもので、賄賂でも裏金でも無いんですよ。賄賂の窓口なんかあるわけないでしょw。しかも、講座は指定できますが、お金そのものは大学に入るものなんです。決して個人のフトコロに入るものじゃありません。賄賂性があるというなら、使い道を調べてみれば良いでしょう。高級車やマンションなんか誰も買ってないんですから。

また、病院だけでなく、学会なども開催の時には製薬会社に協賛金の依頼が来ます。調査班は最初学会の寄付をあてにしたらしいんですが、結局元を辿れば製薬会社の資金だった、ってオチだったかもしれませんね。

そもそも今回の件、明らかに厚生労働省は把握していたはずなのに、マスコミから騒がれたらすっとぼけてしまい、研究班から中外から資金供与を受けた者、中外の治験に参加した者をはずしてしまいました。これはぶったまげましたね。

そもそも日本にはこういった調査に十分なお金を出す仕組みが最初からありません。マスコミは全部国家予算で実施すべきだと思っているんですかね?安全性評価委員会にかかる薬剤がどのくらいあるか知ってるのかな?そもそも、製薬会社から寄付を受けてない大学病院があると思っているのか?

もちろん当局はこういう事情を知っているはずなのですが、今回は場当たり的な対応をしてしまいました。さて、マスコミは今の研究班に中外以外の製薬会社から資金提供を受けている人は居ないのかなんて突っ込みはしないんでしょうかね。摩訶不思議。

タミフル報道で露呈したマスコミの無知

インフルエンザシーズンの終焉と共に過熱報道も消えたとはいえ、問題は残ります。それは、一般の人に歪んだ印象を与えたことです。

タミフルの話題を取り扱ったブログは数多く見つけられますが、依然として批判的なものも多いです。そういうブログはほとんど報道を引用しています。一方、医師および薬剤師、あるいはデータが読める人などは因果関係不明という件には納得している場合が多いと思います。もちろんデータの見方にはいろいろ議論はありますが、それはどんな臨床試験でも同じで、全員が同じ方向で結論を出さないことも少なくないでしょう。現に、申請された新薬が全部承認されるわけではなく、取り下げを余儀なくされる場合も多いのです。これも製薬会社と当局の見解の相違と言えるでしょう。

タミフル問題で最も罪深いのはマスコミであることは確かです。そもそも報道が偏りすぎです。まず、インフルエンザによる異常行動を語るのなら、まず1999年の森島報告書から語ってもらいたいものです。まだタミフルが無いころですね。これはインフルエンザ脳症の調査なのですが、このときも異常行動は見られていますね。

もちろんさんざん報道された横田報告書も、実はこの流れを汲むもので、元々タミフルの報告書ではなく、「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」であり、フタを空けたら90%以上がタミフル投与を受けていた、という状態だったのです。

森島班の報告の後、厚生労働省は解熱剤についてドクターレターを出しています。インフルエンザの解熱目的でジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸を使用しないこと。インフルエンザにおいてはアセトアミノフェンが推奨、ということです。これは、これらの薬剤がインフルエンザ脳炎の悪化になんらかの関連がある可能性があるからです。

問題は、なぜマスコミは今回のタミフル報道のようにこれを大きく取り上げなかったのか?ということです。これは、当局も学会も合意済みのことであり、ちゃんと報道関係者にも発表されているのです

もちろんこの発表自体がわかりにくいということはありますが、それをわかりやすく一般人に伝えるのが報道の役目ではないでしょうか。これ、一般の人が知らないと大変なことになるのですよ。何が問題かというと、たとえば以下のような場合です。

子供が熱を出しました。39度近い熱でぐったりしています。どんどん熱が上がっていきますが土曜の夜で病院はやってません。さて、どうしよう?そういえば以前熱を出したときに病院で貰った熱さましの坐剤があります。あれはとてもよく効いたので使ってみることにしました・・・・・・

はい、これはとても危険です。インフルエンザに使用してはいけないジクロフェナクナトリウムは「ボルタレン坐剤」などの商品名で、広く一般に使われているのです。やはり医師の診断抜きに素人判断で薬を投与するのはいけません。内服もあるので、安易に流用してはいけません。

小児科学会では基本的にアセトアミノフェン以外の非ステロイド系消炎剤(NSAID)の使用は慎重であるべきとの姿勢ですので、実質上アスピリンもダメです。しかし、アスピリンは一般の店でも売ってるんですよね。熱が出たら買って服用してしまう場合も多いでしょう。

こういったことこそ報道でガンガンやってもらえないもんでしょうかね?

インフルエンザ脳炎NSAIDの関連はもはやぐぐってみればそこらじゅうに出てくる話なんですが、不思議とマスコミには取り上げられません。インフルエンザシーズンには毎回テレビで流すぐらいにしないといけないと思うんですけどね。タミフルを服用して異常行動で怪我をした人よりも、インフルエンザにかかって脳症になる人の方が多いし、致死率は比較になりません。

ちなみに、インフルエンザ脳症イコールNSAIDの副作用と言う人がいますが、薬の服用なしに脳症を発症している人もいますのでそれだけでは説明つきません。この説を報道して、厚生労働省は事実を隠していると主張した馬鹿なマスコミもいるようですが、前述のように調査結果はとっくに発表されているし、内容は結果に基づいたものなので問題ないはずです。むしろ、全部NSAIDの副作用とする方が学問的におかしいはずなのですが、なんでそこに気づかないのか不思議です。

もちろん、NSAIDが誘引もしくは増悪させる可能性があるので禁忌となったわけなので、薬を飲まなければ安心なんてのは早計です。この点誤解のないように。

今、インフォームドコンセントなんて言葉も一般化していますが、現代においては患者側の基礎知識が無いと説明が困難です。その知識を与えるために報道が介在するべきです。間違った報道によって間違った知識が植えつけられ、適正な治療が妨げられればそれは薬害以上の害ではないでしょうかね。